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きのくに信金で7827万円着服 定期預金を無断解約した手口と影響

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和歌山市に本店を置くきのくに信用金庫は2026年7月30日、湯浅支店に勤務していた30代の元男性職員が、顧客の定期預金を無断で解約し、総額7827万円を着服していたと発表しました。

被害は40代から90代の14人・10世帯に及び、約5年近くにわたって不正が続いていました。8月には宮城県の七十七銀行でも元行員による1700万円の着服が公表されており、地域金融機関の内部不正が相次いでいます。

この記事では、きのくに信金の着服事件の手口や発覚の経緯、被害者への対応、七十七銀行の事件との共通点、そして私たちが自分の預金を守るために確認できることを整理します。

この記事の要点

  • きのくに信用金庫湯浅支店の元営業担当職員(30代男性)が、顧客の定期預金を無断解約して7827万円を着服
  • 不正の期間は2021年8月から2026年4月まで。被害者は40代〜90代の14人・10世帯
  • 2026年5月15日に発覚し、7月21日付で懲戒解雇。同日に警察へ被害届を提出
  • 被害を受けた顧客の預金は、解約前の状態に回復済み
  • 同時期に七十七銀行でも元行員の着服が公表され、金融機関の管理態勢が改めて問われている
詳しく解説

きのくに信用金庫で何が起きたのか

まずは、きのくに信用金庫が公表した事件の概要と、被害の規模を確認します。公式発表で明らかになっている事実を中心に整理します。

信金が公表した事件の概要

きのくに信用金庫は2026年7月30日、「不祥事件の発生について」と題する文書を公表しました。行為者は湯浅支店に勤務していた営業担当の元職員で、30代の男性です。

事件の内容は「お客様の定期預金を無断で解約し着服」したもので、発生期間は2021年8月から2026年4月までとされています。元職員は2026年3月まで湯浅支店に勤務していたと報じられています。

被害の規模

被害額は7827万円です。報道によると、被害を受けたのは40代から90代までの顧客14人・10世帯で、数十口座の定期預金が無断で解約されました。

口座数や件数は報道によって表記に違いがありますが、一人の職員が約5年近くにわたり、複数の世帯の預金に手を付けていたことになります。

着服の手口と発覚までの経緯

今回の事件で注目されているのは、顧客本人の署名・押印がある書類が使われていた点です。どのような説明で証書を預かり、なぜ発覚が遅れたのかを見ていきます。

「定期預金をまとめる」という説明

報道によると、元職員は「複数ある定期預金を1つ、あるいは数口座にまとめる」などと顧客に説明し、預金証書を預かっていました。そのうえで一部を無断で解約し、解約金を着服していたとされています。

また、定期預金の書き換え手続きの際に顧客が出した預金証書を持ち去り、無断で解約する手口もあったと報じられています。

なぜ支店は気付けなかったのか

払戻請求書にはいずれも顧客本人の署名・押印があったため、事務手続きを担当した支店では不正に気付かなかったと説明されています。

補足:書類が「正規」に見える不正

本人の署名・押印がそろった書類は、窓口から見れば通常の解約手続きと区別がつきにくいものです。担当者と顧客の信頼関係を利用した不正は、書類の確認だけでは見抜きにくいという課題が浮かび上がったと考えられます。

発覚のきっかけ

2026年5月、顧客から支店の窓口に「口座の残高が少ない」という趣旨の相談があり、調査の結果、不正が判明しました。信金は発覚日を5月15日としています。

元職員は着服を認め、使い道についてギャンブルや借金の返済と話していると報じられています。

時系列と七十七銀行の事件との比較

事件の流れを時系列で確認したうえで、同時期に公表された七十七銀行の着服事件と比べ、共通点と違いを整理します。

きのくに信金事件の時系列

きのくに信用金庫・着服事件の経過
時期 出来事
2021年8月定期預金の無断解約・着服が始まる
2026年3月元職員が湯浅支店の勤務を終える(報道)
2026年4月不正の発生期間が終わる
2026年5月15日顧客の相談をきっかけに発覚
2026年7月21日懲戒解雇・警察へ被害届を提出
2026年7月30日信金が不祥事件として公表

七十七銀行の事件との比較

2026年夏に公表された2つの着服事件
項目 きのくに信用金庫 七十七銀行
被害額7827万円1700万円
被害者14人・10世帯顧客1人
期間2021年8月〜2026年4月2016年ごろ〜2022年ごろ
手口定期預金の無断解約運用名目で現金を預かり返還せず
発覚顧客の残高相談顧客の申し出
顧客対応預金を解約前の状態に回復銀行が全額弁済

手口は異なるものの、どちらも営業担当者と顧客の個人的な信頼関係の中で不正が行われ、顧客自身の気付きによって発覚した点が共通しています。

被害者と地域への影響

預金が無断で解約された顧客への対応と、地域の金融機関に対する信頼への影響について、確認できている事実と考えられる影響を分けて整理します。

被害を受けた顧客への対応

確認されている対応

信金は被害を受けた顧客に事実関係を説明して謝罪し、預金を解約前の状態に回復したと公表しています。金銭面の被害は、信金の対応で補われた形です。

一方で、長年担当していた職員に裏切られた精神的な負担は小さくないと考えられます。被害者には高齢の方も含まれており、丁寧な説明が求められます。

地域金融への信頼

信用金庫は地域の住民や事業者と密接な関係を築くことを強みとしています。その関係が不正に利用されたことで、ほかの利用者にも不安が広がる可能性があります。

信金は監督責任を明確にするため、常勤役員と関係職員も処分したとしています。

今後の見通し

事件は発覚から公表まで進みましたが、刑事手続きや再発防止策はこれからの段階です。今後注目される点を整理します。

捜査と再発防止策

信金は監督官庁へ報告し、所轄の警察署に被害届を提出しています。今後は警察の捜査がどう進むかが焦点となります。

信金は、事件が起きた背景や要因の調査・分析を進め、内部管理態勢を強化するとしています。具体的な再発防止策がどのような形で示されるかも注目されます。担当者の定期的な交代や、顧客への取引内容の直接確認など、業界で取り入れられている仕組みの強化が検討される可能性があります。

預金を守るために知っておきたいポイント

金融機関の内部不正は、利用者側の工夫だけで防げるものではありません。それでも、日頃の確認で早く気付ける可能性は高まります。

注意したいサイン

こんなときは一度立ち止まる

  • 預金証書や通帳を、担当者が長期間預かったままにする
  • 「まとめる」「書き換える」などの説明で、内容がよく分からない書類に署名を求められる
  • 預けた現金に対して、正式な受取書や控えが渡されない

日頃からできる確認

実践しやすい習慣

定期的に通帳記帳や残高照会を行い、身に覚えのない解約や出金がないか確認しましょう。

高齢の家族がいる場合は、家族で一緒に預金の状況を確かめることも有効です。不審な点があれば、担当者を通さず支店の窓口や本部の相談窓口に直接問い合わせることが大切です。

よくある質問(FAQ)

きのくに信用金庫の着服事件について、読者が気になりやすい疑問を公表内容に基づいてまとめました。

Q1.事件はいつ、どこで起きましたか?

A.きのくに信用金庫の湯浅支店で、2021年8月から2026年4月にかけて起きました。2026年5月15日に発覚し、7月30日に公表されています。

Q2.なぜ長期間気付かれなかったのですか?

A.払戻請求書に顧客本人の署名・押印があったため、支店が不正に気付かなかったと説明されています。管理態勢の詳しい問題点は、信金が調査・分析を進めるとしています。

Q3.被害を受けた人の預金は戻りましたか?

A.信金は、被害を受けた顧客の預金を解約前の状態に回復したと公表しています。

Q4.利用者が気を付けることは何ですか?

A.通帳記帳や残高照会をこまめに行い、預金証書や通帳を担当者に預けたままにしないことです。不審な点は支店窓口や本部の相談窓口へ直接問い合わせましょう。

まとめ

きのくに信用金庫の元職員が、約5年近くにわたり14人・10世帯の定期預金を無断解約し、7827万円を着服していたことが明らかになりました。

顧客の署名・押印がある書類が使われ、支店が見抜けなかったことが大きな課題です。被害者の預金は回復されましたが、地域金融への信頼は揺らいでいます。

今後は警察の捜査の行方と、信金が示す具体的な再発防止策に注目が集まります。

長く顔を合わせてきた担当者を信頼し、証書を預ける。地域の金融機関では、ごく自然な関係です。

今回の事件は、その信頼関係そのものが不正の入り口になり得ることを示しました。七十七銀行の事件と同じく、気付いたのは顧客自身でした。

金融機関には、人の善意に頼らない確認の仕組みが求められます。そして私たちも、通帳を開いて残高を確かめるという小さな習慣を大切にしたいところです。

家族と一緒にお金のことを話す時間をつくることも、大切な預金を守る確かな一歩になるはずです。

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