長崎県壱岐市の60代女性が「介護保険の還付金がある」と偽る還付金詐欺で、199万8567円もの大金をだまし取られる事件が発生しました。犯人は市役所職員を名乗り、続けて銀行員を装ってATM操作を指示。「お客様コードは1998567」と伝えたその数字が、被害額の「199万8567円」としてそのまま振り込まれてしまうという、悪質極まりない手口です。
なぜ今もなお、還付金詐欺は後を絶たないのでしょうか?「自分は大丈夫」と思っている人ほど、実は危険にさらされているかもしれません。本記事では、今回の壱岐市で起きた還付金詐欺の全容と、犯人が使う最新の心理トリック、絶対にしてはいけない行動を詳しく解説します。あなたや家族を守るために、ぜひ最後までお読みください。
1. 事件の概要(何が起きたか)
2025年12月8日、長崎県壱岐市に住む60代の主婦宅の固定電話に、市役所職員を名乗る男から「介護保険の還付金があります」「金額は4~6年分で約1万9000円ほど」と電話が入りました。
女性が銀行名と携帯電話番号を伝えると、今度は銀行員を名乗る別の男から携帯に連絡があり、「ATMで振り込み手続きをしてください」と誘導。女性は近隣のATMへ移動し、電話で指示を受けながら操作したところ、自身の口座から、犯人側が管理する口座へ199万8567円を振り込んでしまいました。
特に巧妙だったのは、銀行員役の男が「お客様コードは1998567です」と告げた点。この数字を女性がATMに入力した結果、振込金額が、まるで偶然のように「199万8567円」になってしまったのです。このトリックに気づいた女性が後日、市役所と銀行に確認して詐欺が発覚し、警察に被害届を提出しました。
2. 発生の背景・原因
還付金詐欺が多発する最大の理由は、高齢者層が持つ「役所から還付金のお知らせが来るのは普通」という認識を悪用している点にあります。特に介護保険料や医療費の還付は実際に存在するため、「もしかしたら本当に戻ってくるかも」と信じてしまう人が後を絶ちません。
また、犯人グループは事前に住民基本台帳や電話帳などから情報を収集し、「〇〇保険の還付金」と具体的に言ってくるため、信憑性が増してしまいます。今回のケースでも、最初に固定電話にかけてきたことで「公的機関からの連絡」と錯覚させ、警戒心を一気に下げたと考えられます。
3. 関係者の動向・コメント
被害女性は取材に対し「明細を見て金額がおかしいと思い、すぐに市役所に電話した」と語っています。幸いにも全額は戻っていませんが、早期に詐欺に気づけたことで、これ以上の追加上乗せ被害は防げました。
長崎県警察は「還付金があると言われたら即座に詐欺を疑ってほしい」「ATMで携帯電話を使いながら操作している人がいたら声をかけてあげてほしい」と注意喚起を強めています。
4. 被害状況や金額・人数
・被害者:壱岐市在住60代主婦(1名)
・被害額:199万8567円(全額未回収)
・手口:市役所職員+銀行員の劇場型
2025年に入って長崎県内での還付金詐欺認知件数はすでに30件を超え、被害総額は1億円に迫っています。特に離島地域ではATMが少なく、犯人が「今すぐ手続きしないと権利が失効します」と急かす手口が効きやすい傾向があります。
5. 行政・警察・企業の対応
壱岐市では事件発覚後、全戸配布チラシと自治会回覧で注意喚起を実施。市役所保険課は「還付金の手続きでATMを使うことは100%ありません」と改めて周知しました。
警察は犯人グループの口座を凍結し、資金の流れを追及中。また、金融庁と全国の銀行と連携し、一定額以上の高齢者による振込時に自動で警告画面を表示するシステムの導入を進めています。
6. 専門家の見解や分析
詐欺研究の専門家は「今回の『お客様コード1998567』→『199万8567円』というトリックは、被害者が自分で金額を入力したという心理的な壁を取り払う極めて悪質な手法」と指摘します。
「人は『自分で決めた金額』だと罪悪感が薄れるため、たとえ数百万円でも入力してしまう。しかもコードと金額が一致したことで『正しい操作をしている』と錯覚してしまうのです」と分析しています。
7. SNS・世間の反応
X(旧Twitter)では「また還付金詐欺か…本当にしつこい」「1998567のトリックひどすぎる」「高齢の親にどうやって伝えれば信じてもらえるか」といった声が相次いでいます。
特に「固定電話をすぐ廃止すべき」「離島は特に危ない」といった意見が多く、家族間での情報共有の重要性が再認識されています。
8. 今後の見通し・影響
犯人グループは海外拠点の可能性が高く、全額回収は極めて困難と見られています。しかし、早期発見により口座凍結ができたため、別の被害を未然に防げた可能性があります。
今後も年末年始に向けて「税金の還付」「医療費の還付」など季節イベントに合わせた詐欺が増えると予測されており、さらなる注意が必要です。
【要点まとめ】
- 市役所職員を名乗る電話→銀行員に誘導される「劇場型」
- 「お客様コード1998567」がそのまま被害額199万8567円に
- 還付金でATMを使う手続きは100%詐欺
- 不審に思ったら即座に家族か警察に相談
【よくある質問(FAQ)】
Q. 本物の還付金はどのように通知されますか?
A. 基本的にハガキまたは封書で書面通知され、電話でATMへ誘導されることは絶対にありません。
Q. 固定電話にかかってきた時点で詐欺ですか?
A. 最近は8割以上が固定電話にかけてきます。知らない番号は出ないのが最善です。
Q. 少額なら振り込んでもいい?
A. 少額で信用させ、後日「手続きミスで追加が必要」と数百万円請求されるパターンが急増しています。
まとめ
壱岐市で起きた今回の還付金詐欺は、「お客様コード」と被害額を一致させるという極めて悪質なトリックが特徴です。どれだけ慎重な人でも、「役所から連絡」「還付金」という言葉に弱いのが現実。家族でルールを決め、「知らない電話は出ない」「ATMで電話しながら操作しない」を徹底することが最大の防御です。
もし少しでも「おかしい」と思ったら、すぐに110番か最寄りの警察署にご相談ください。あなたの一報が、次の被害を防ぎます。

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