夜になると「なかなか寝付けない」「夜中に何度も目が覚める」という高齢者の声が、家族や介護現場で目立つようになっています。加齢とともに睡眠が浅くなることは知られていますが、近年は生活リズムの乱れやストレス要因の多様化も重なり、体調管理の課題として「睡眠」が改めて意識されるようになっています。
日中のだるさやふらつき、物忘れの増加など、一見すると加齢だけが原因に見える症状も、実は慢性的な睡眠不足が関係している場合があります。それでも「年のせいだから」と諦めてしまうケースは少なくなく、結果として受診や相談のタイミングが遅れてしまうこともあります。
この記事では、高齢者の睡眠と体調管理の関係を整理しつつ、家庭で取り組める工夫や注意点を具体的に見ていきます。
また、SNSやネット掲示板では「親が眠れないと言うが、どうサポートすればよいか分からない」といった家族の戸惑いの声も増えています。こうした不安に応えるためにも、専門的な診断が必要なケースと、生活習慣の見直しから始められるケースを分けて考える視点が重要です。
高齢者の不眠・睡眠不足の概要
高齢者の睡眠トラブルには、大きく分けて「入眠困難」「中途覚醒」「早朝覚醒」の3パターンがよく見られます。夜なかなか寝付けないだけでなく、夜中に何度も目が覚めたり、早朝に目覚めてから再び眠れなくなるケースも多く報告されています。
これらの問題は、加齢に伴う体内時計の変化や、深い睡眠(ノンレム睡眠)が減ることと関連しているとされます。また、持病による痛みや頻尿、服薬の影響、日中の活動量低下など複数の要因が重なり、睡眠の質をさらに下げてしまうこともあります。
不眠が体調に与える影響と時系列
最初は「少し眠りが浅い」「夜中に一度起きる程度」と感じていても、状態が続くと日中の倦怠感や集中力の低下が目立ち始めます。この段階では、昼寝の時間が長くなる、外出を控えるなどの行動変化も生じやすくなります。
さらに睡眠不足が慢性化すると、転倒リスクの増加や、食欲低下、気分の落ち込みといった影響が現れ、生活の自立度にも影響します。家族から見ると「以前より元気がない」「動きがゆっくりになった」などの変化として現れ、介護負担の自覚が高まるタイミングとも重なりやすくなります。
睡眠トラブルの原因・背景
高齢者の睡眠トラブルの背景には、身体面・心理面・生活環境の3つの側面が絡み合っています。身体面では、慢性疾患や痛み、頻尿、呼吸器疾患などが夜間覚醒を増やす要因となります。
心理面では、配偶者との死別や退職後の役割変化、将来への不安などがストレスとなり、寝る前に考えごとが増えてしまうことがあります。
さらに生活環境として、日中の光不足、運動量の低下、テレビやスマートフォンによる夜間の強い光刺激などが、体内時計を乱す一因として指摘されています。
・高齢者の不眠は「入眠困難」「中途覚醒」「早朝覚醒」が中心。
・身体・心理・環境要因が複合的に関与する。
・日中の活動量低下や光不足も睡眠リズムを崩しやすい。
高齢者の睡眠に関するFAQ
Q. 高齢者に多い睡眠トラブルの主な3つの症状は?
A. 入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒の3つが代表的です。
Q. 睡眠不足が加齢と誤解されやすい症状は?
A. 日中のだるさ、ふらつき、物忘れの増加などが挙げられます。
Q. 起床直後に意識したい行動は?
A. 太陽の光を浴びることです。体内時計のリセットに役立ちます。
Q. 昼寝の適切なルールは?
A. 15時前に20分程度にとどめることが理想です。
Q. 眠れないまま布団にいる場合は?
A. 一度布団から出てリラックスし、眠くなってから再度横になります。
高齢者の「夜眠れない」という悩みは、加齢だけでなく、病気・薬・生活リズムなど複数の要因が絡む体調管理の課題です。日中の活動量や光の取り入れ方、画面時間の調整など、家庭でできる工夫も少なくありません。長引く不眠や日中のふらつきが見られる場合は、早めに医療機関へ相談することが安心につながります。

