1. 概要(何が起きたか):原宿・新宿店のダブル閉店
2026年2月8日、イケア・ジャパンは都心戦略の柱であった「原宿店」と「新宿店」の営業を終了しました。これにより、2020年から進めてきた都心型店舗の展開は大幅に縮小され、現在は渋谷店のみが生き残る形となっています。
イケアはこれまで郊外の超大型店をメインとしてきましたが、車を持たない若年層や都市生活者との接点を作るべく都心へ進出。しかし、期待された「ショールーミング(実物を見てネットで買う)」の効果が十分に上がらず、今回の撤退に至ったと見られています。
- IKEA原宿店・新宿店が2026年2月8日に同時閉店
- 都心型店舗は渋谷店1店舗のみに縮小
- 2025年8月期の営業損失は約48億円と業績が低迷
- 札幌や広島での大型店出店計画も事実上のとん挫・撤回状態
2. 発生の背景・原因:高コスト体質と都心のミスマッチ
閉店の最大の原因は、都心部特有の「高い賃料」と「売上のバランス」が取れなかったことにあります。都心型店舗は売場面積が郊外店の約4分の1以下(渋谷店で4800平方メートル)しかなく、置ける商品が限られます。大型家具を置いても持ち帰りができないため、結局は配送費がかさみ、イケアの強みである「低価格」が相殺されてしまいました。
また、コロナ禍が明けて消費者が再び郊外へ目を向けるようになったことや、物価高による買い控えも、収益性を悪化させる要因となりました。
3. 関係者の動向・コメント:イケア・ジャパンの苦悩
運営元であるIngkaグループ全体では黒字を確保しているものの、日本法人の決算公告では48億円規模の営業赤字が計上されています。関係者の間では、「日本市場における物流コストの上昇が利益を圧迫している」との見方が強いです。
また、これまでは「イケアの体験(迷路のような売り場やレストラン)」がブランド価値でしたが、効率を重視する日本の消費者にとって、その体験が逆に「時間の無駄」と感じられてしまう場面が増えてきたことも指摘されています。
4. 被害状況や金額・人数:赤字幅の拡大と出店断念
直近2年間で赤字幅は倍増しており、財務状況は厳しい局面を迎えています。かつて2020年までに14店舗の大型店を出す計画を掲げていましたが、実際には10店舗にとどまっています。札幌市での出店計画撤回や広島でのとん挫により、商圏人口100万人以上のエリアであっても「集客が見込めない」と判断せざるを得ない状況です。これは企業としての成長戦略が足止めを食らっていることを意味します。
5. 行政・警察・企業の対応:ニトリの圧倒的シェア
対照的に、競合のニトリは国内で800店舗以上を展開し、売上高9000億円超、営業利益率10%以上という驚異的な数字を維持しています。ニトリは商圏人口10万人程度から出店が可能であり、消費者の生活圏に深く食い込んでいます。イケアが「わざわざ行く場所」であるのに対し、ニトリは「ついでに寄れる場所」としての地位を確立しており、この利便性の差が業績の明暗を分けています。
6. 専門家の見解や分析:日本人のライフスタイルとのズレ
専門家は、イケアの家具が「2人以上での組み立てを前提」としている点を指摘します。単身世帯や高齢世帯が増える日本において、複雑で重量のある北欧家具はハードルが高すぎました。一方、ニトリは日本の住宅事情に合わせたサイズ感や、組み立ての簡便さを徹底して追求しています。欧州ではIKEAの受け皿となる小型チェーンが存在しますが、日本ではその役割をニトリが完璧に果たしてしまっているのが現状です。
7. SNS・世間の反応:ファンからも厳しい声
ネット上では閉店を惜しむ声がある一方で、冷静な分析も目立ちます。
- 「イケアは可愛いけど、自分で運んで組み立てるのが本当に疲れる」
- 「都心店は雑貨しか買えないから、結局ニトリで十分だと思ってしまう」
- 「レストランは好きだけど、家具を買う場所としては選択肢から外れがち」
このように、「テーマパーク」としては優秀でも、日常の家具購入先としてはニトリに軍配を上げる声が多く見られます。
8. 今後の見通し・影響:地方大型店の存続は?
今後、赤字が続くようであれば、都心だけでなく地方・郊外の不採算大型店の閉鎖も現実味を帯びてきます。イケアが所有する土地を売却すれば一時的な資金は確保できますが、それは日本市場からのさらなる縮小を意味します。生き残るためには、日本の狭小住宅に特化した商品開発や、配送・設置サービスの抜本的な見直しが不可欠となるでしょう。
9. FAQ
A:2026年2月8日に両店舗とも閉店しました。
Q:都心でもうイケアには行けませんか?
A:現在は「渋谷店」のみが都心型店舗として営業を継続しています。
Q:なぜニトリに勝てないと言われるのですか?
A:店舗数の圧倒的な差(ニトリ800超vsイケア14)に加え、日本の住宅に合ったサイズ感や組み立ての容易さなど、利便性で差をつけられているためです。