- 就活開始の早期化:大学2年生までに就活(インターン含む)を意識し始めた学生が40.7%に達する。
- スケジュールの負担感:76.1%(「早すぎる」54.9%+「やや早い」21.2%)が早期化に不満や疑問を提示。
- 最大の理由は学業面:「学業(留学や研究、ゼミ)との両立が難しい」が最多の288件。
- 準備不足の懸念:業界理解や自己分析に十分な時間を割けないまま進むことへの不安が上位に。
- 学生生活への支障:アルバイトやサークル・部活動など、大学生活ならではの経験機会が圧迫されている実態。
28卒就活性の4割以上が大学2年までに就活を意識
就職情報大手の株式会社学情が実施した「就職意識調査」(2026年6月実施、有効回答数497人)によると、2028年卒業予定の大学生が就職活動やインターンシップを意識し始めた時期として最も多かったのは「大学3年生(56.5%)」でした。
しかし、注目すべきはそれ以前の段階から動こうとしている層の厚さです。「大学2年生後半(30.3%)」、「大学2年生前半(5.2%)」、「入学前~大学1年生(5.2%)」を合わせると、全体の40.7%が大学2年生までの段階で就職活動を明確に意識していることがわかりました。
企業の採用手法の多様化や早期インターンシップの定着により、実質的な就活力(準備段階)のスタートラインが年々前倒しされている現状が数値として表れています。
「早すぎる」と感じる76.1%の理由と学生が直面する課題
一方で、現在の就活スケジュールに対する意識を尋ねたところ、「早すぎる(54.9%)」と「やや早い(21.2%)」を合わせた76.1%の学生が前倒し傾向に難色を示しています。「妥当」と答えた学生は9.4%、「遅い」はわずか4.8%にとどまりました。
学生生活と就活準備の「時間的余裕のなさ」が顕著に
スケジュールが早すぎると感じている理由(複数回答)として、最も多く挙げられたのが「学業(留学や研究、ゼミ)との両立が難しい(288件)」でした。専門的な学びや研究が本格化する時期と就活準備が完全に重なることが、大きなストレスとなっていると考えられます。
- 自己分析・業界理解の不足:時間が取れないまま選考準備に入らざるを得ない。
- 課外活動の制限:アルバイト(210件)やサークル・部活(99件)活動を控えざるを得ない。
- 体験不足のパラドックス:学生生活の体験(ガクチカ)を作る時間が削られる。
大学生活ならではの多様な経験を積むべき時期に就活準備に追われることで、「自己PRで語る実績を作る余裕がない」という本末転倒な状況に悩む学生の姿が見えてきます。
データで見る28卒就活意識調査の概要一覧
今回の学情による調査データを分かりやすく表にまとめました。
| 項目 | 回答結果・数値 | 主な傾向と分析 |
|---|---|---|
| 就活意識の開始時期 | ・大学3年:56.5% ・大学2年以前:40.7% |
早期化が定着し、2年生段階からの動き出しが一般化しつつある。 |
| 日程への意識 | ・早すぎる/やや早い:76.1% ・妥当:9.4%/遅い:4.8% |
8割弱の学生が現在のペースに対して過度な負担を感じている。 |
| 主な理由(複数回答) | 1位:学業との両立(288件) 2位:業界・仕事理解不足(236件) 3位:自己分析不足(226件) |
準備時間と学生生活(学業・課外活動)の不足が二重の悩みとなっている。 |
| 調査概要 | 2026年6月12日~24日実施 有効回答数:497人(Re就活キャンパス来訪者) |
28卒(2028年卒業予定)のインターネット調査。 |
早期化市場における今後の見通しと低学年向け情報提供の重要性
調査を実施した学情は、学生が「就活準備と学生生活の両立」に大きな困難を感じている現状を受け、今後は低学年段階からのキャリア教育や企業情報への無理のないアクセス環境が必要不可欠になると指摘しています。
企業側にとっても、あまりに早い段階でハードな選考を課すと、学業を重視する優秀な学生を取りこぼすリスクがあります。そのため、単なる採用活動にとどまらず、大学1・2年生向けの長期的なキャリア形成支援やオープンな情報提供スタイルへとシフトしていく可能性が考えられます。
学生側にとっても、闇雲に就活を始めるのではなく、「低学年のうちは興味のある分野の情報収集程度にとどめ、大学生活の充実を最優先する」といった適切なメリハリが重要となります。
28卒・後輩学生が知っておきたい「無理のない就活準備」のポイント
周りが動き始めると焦りがちですが、学業や学生生活を犠牲にしすぎる就活は長期的に見て逆効果になりかねません。無理なく進めるためのポイントをまとめました。
- まずは「学業と今の生活」を基盤にする:面接や選考で最も評価されるのは、学生時代に力を注いだ具体的な経験です。
- 低学年は「広い視野での情報収集」に絞る:選考対策に追われるのではなく、世の中にどんな業界・職種があるかを知る程度から始めましょう。
- スカウト型サイトなどのツールを効率活用:限られた時間の中でスカウトや情報通知を受け取れるツールを活用し、時間的負担を軽減するのも一手です。
よくある質問(FAQ)
まとめ
今回の学情による調査から、28卒就活性の早期化とそれに伴う重い負担感が浮き彫りになりました。
- 4割以上の学生が大学2年生までに就活を意識開始。
- 76.1%が「早すぎる・やや早い」と感じており、学業や研究との両立に強い悩み。
- 就活準備の焦りから、学生生活本来の経験や業界理解の時間が削られるリスクが存在。
「早く動き出さなければ乗り遅れてしまう」という不安から、大学生活の早い時期から就職活動を意識せざるを得ない学生たちの揺れる胸の内がうかがえます。
しかし、大学での講義や研究、仲間と過ごすサークル活動やバイト先での経験こそが、将来の自分の価値観を形作る豊かな糧となります。就活の準備に追われるあまり、そのかけがえのない時間が奪われてしまうのは、社会にとっても大きな損失といえるかもしれません。
就活のスケジュールが早期化する今だからこそ、周囲のペースに惑わされすぎず、自分自身の学業や生活のバランスを大切にする視点が求められています。
