2026年上半期、東京都内で確認された刑法犯の認知件数が5万1794件に達し、前年同期から11.2%増加しました。
特に目立つのが詐欺事件の増加です。詐欺は6611件で前年同期比37.6%増となり、特殊詐欺だけでも3138件に上りました。
なぜ都内の犯罪件数は増えているのでしょうか。警視庁が発表した数字をもとに、詐欺の割合や近年の推移、私たちが注意したいポイントを整理します。
この記事の要点
- 2026年1~6月の都内刑法犯は5万1794件
- 前年同期比で11.2%増加
- 詐欺は6611件で前年同期比37.6%増
- 特殊詐欺は3138件で前年同期比16.5%増
- コロナ禍で減少した刑法犯は2023年以降、増加傾向にある
都内の刑法犯が5万1794件に増加
警視庁の発表によると、2026年1月から6月までの東京都内における刑法犯認知件数は5万1794件でした。
前年同期と比較すると11.2%の増加です。半年間だけで5万件を超える犯罪が認知されたことになり、単純計算すると1日平均で約286件に相当します。
補足
「認知件数」とは、警察が犯罪の発生を認知した件数です。犯罪被害の相談や届け出などを通じて把握されたものであり、必ずしも犯人が逮捕された件数を意味するものではありません。
上半期の推移を見ると、都内の刑法犯認知件数は新型コロナウイルスの感染拡大期にあたる2020年から2022年にかけて減少傾向にありました。
ところが、社会活動が通常に戻っていく中で、2023年以降は再び増加傾向となっています。
刑法犯11.2%増の背景に「詐欺」の急増
今回の数字で特に注目されるのが、詐欺を中心とする知能犯の大幅な増加です。
2026年上半期に認知された詐欺、横領、汚職などの知能犯は7051件。前年同期から37.8%増加しました。
その中でも詐欺は6611件で、前年同期比37.6%増となっています。
| 項目 | 2026年上半期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 刑法犯全体 | 5万1794件 | 11.2%増 |
| 知能犯 | 7051件 | 37.8%増 |
| 詐欺 | 6611件 | 37.6%増 |
| 特殊詐欺 | 3138件 | 16.5%増 |
知能犯7051件のうち、詐欺だけで6611件を占めています。計算すると、知能犯の9割以上が詐欺だったことになります。
刑法犯全体の増加を見るうえで、詐欺の動向を無視できない状況になっています。
特殊詐欺は3138件、前年より16.5%増
詐欺6611件のうち、特殊詐欺は3138件でした。前年同期比では16.5%増えています。
単純計算では、2026年上半期の東京都内で1日平均約17件の特殊詐欺が認知された計算になります。
また、特殊詐欺3138件は詐欺全体6611件の約47%に相当します。つまり、認知された詐欺のうち、およそ2件に1件に近い規模を特殊詐欺が占めていることになります。
注意したいポイント
電話やメッセージで突然、お金の振り込みや送金、キャッシュカードの提出などを求められた場合は、その場で判断しないことが重要です。
家族や公的機関、金融機関などに自分から確認し、不審な要求に応じないよう注意が必要です。
コロナ禍の減少から一転、2023年以降は増加傾向
今回の増加を理解するうえで重要なのが、ここ数年の刑法犯認知件数の動きです。
警視庁によると、上半期の数字を比較した場合、2020年から2022年までは減少傾向にありました。
コロナ禍では外出や人との接触、社会活動そのものが大きく制限されました。その後、社会活動が正常化していく中で、2023年以降は刑法犯認知件数が増加傾向に転じています。
近年の流れ
2020年~2022年:刑法犯認知件数は減少傾向
2023年以降:増加傾向へ
2026年上半期:5万1794件、前年同期比11.2%増
ただし、刑法犯全体の増加を単一の原因だけで説明することはできません。犯罪の種類によって背景は異なるため、今回の統計では特に増加幅の大きかった詐欺に注目する必要があります。
数字から見える2026年上半期の特徴
5万1794件という数字だけを見ると規模をイメージしにくいかもしれません。そこで半年間を約181日として単純計算すると、刑法犯全体では1日平均約286件となります。
詐欺6611件は1日平均約37件、特殊詐欺3138件は1日平均約17件です。
もちろん犯罪の発生日と警察が認知した日が必ず同じとは限らないため、これはあくまで件数を日数で割った目安です。それでも、詐欺被害が決して珍しい出来事ではないことが数字から分かります。
特に特殊詐欺は、被害者本人だけでなく家族全体の問題になり得ます。離れて暮らす高齢の家族がいる場合には、日頃から「お金を要求する電話が来たら一度相談する」といったルールを決めておくことも対策の一つです。
私たちが注意したい詐欺への備え
犯罪統計の増加を単なる数字として見るのではなく、自分や家族が被害に遭わないための行動につなげることが重要です。
とりわけ警戒したいのは、突然の連絡によって冷静に考える時間を奪われるケースです。「すぐに手続きが必要」「今日中に支払わなければならない」と急がされた場合ほど、その場で対応しないことが大切です。
こんなときは一度立ち止まる
- 突然、お金を振り込むよう求められた
- キャッシュカードや暗証番号を求められた
- 身に覚えのない料金を請求された
- 「今すぐ」「誰にも言わないで」と急かされた
- 家族や公的機関を名乗る相手から金銭を要求された
相手から教えられた電話番号だけを信用せず、公式に公開されている連絡先などを自分で確認することも重要です。
今後の焦点は下半期も増加が続くか
今回発表された数字は2026年1~6月の上半期の統計です。そのため、年間の刑法犯認知件数が最終的にどの程度になるのかは、下半期の動向を見る必要があります。
特に注目されるのは、前年同期比37.6%増となった詐欺が今後どのように推移するかです。
特殊詐欺についても3138件と前年同期を上回っています。犯罪の手口や接触方法が変化すれば、対策する側もそれに合わせて警戒方法を更新していかなければなりません。
「自分はだまされない」と考えるのではなく、知らない相手から金銭や個人情報を求められた場合には確認する習慣を持つことが、身近な防犯につながります。
FAQ|都内の刑法犯と詐欺について
まとめ
2026年上半期の東京都内における刑法犯認知件数は5万1794件で、前年同期比11.2%増となりました。
中でも詐欺は6611件と37.6%増加し、特殊詐欺も3138件に上っています。
コロナ禍の2020~2022年に減少傾向だった刑法犯は、2023年以降、再び増加傾向にあります。
今後は下半期の犯罪件数に加え、詐欺や特殊詐欺がどのように推移するのかが大きな焦点となりそうです。
情感的締めくくり
「犯罪が11.2%増えた」という数字の向こう側には、実際に被害を受け、不安を抱えた人たちの生活があります。
特に詐欺は、街を歩いているときだけ警戒すれば防げる犯罪ではありません。電話やスマートフォンを通じて、普段の暮らしの中へ突然入り込んでくる可能性があります。
社会が便利になり、人と人が離れた場所から簡単につながれるようになった一方、その便利さを悪用する犯罪への備えも必要になっています。
あなたは突然「今すぐお金が必要」と連絡が来たとき、一度立ち止まって誰かに相談できるでしょうか?
自分だけでなく、家族や身近な人と詐欺について話しておくこと。それだけでも、いざというときの判断を変えるきっかけになるかもしれません。
5万1794件という数字を単なる統計で終わらせず、一人ひとりが日常の防犯を見直す材料にすることが、これからの被害を減らす第一歩になります。

